敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
タクシーには先輩も相乗りするのだけれど、乗り込んできたことに気かつかないほどぐっすり眠っていた。


空港に到着すると、早速更衣室で制服に着替え始める。

我がFJA航空のグランドスタッフの制服は、濃紺のジャケットに淡いブルーのシャツ。下は同じく濃紺のタイトスカート、もしくはパンツ。

そして、鮮やかなブルーのラインが入ったスカーフが目印だ。

このスカーフの結び方はアレンジが許されていて、各々少しずつ違う。

ちなみに、単純にリボン巻きにしているときは時間がなかった場合が多い。

余裕があった今日は、カーネーション巻きと呼ばれている華やかな結び方にした。


そのあとバッグに忍ばせてある栄養補助食品のクッキーをむしゃむしゃと頬張る。

缶コーヒーで胃に流し込み、それから簡単なブリーフィング。

これは打ち合わせのようなもので、今日同じ業務につくグランドスタッフ同士で行われる。
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