今日は、クリスマスだ!
「……そっか。でも、今日は特に寒いから風邪引くよ」

そう言って、僕から手を離した紫恩は紫恩が首に巻いていたマフラーを取って、僕の首にマフラーを巻いてくれた。

「……温かい……でも、紫恩、寒くないの……?」

「……大丈夫だよ。大切な人に風邪引いてもらいたくないからね」

そう言って、紫恩はにこりと笑う。その笑顔を見て、僕の胸が高鳴ったことは、きっと誰にも言わない。

「……でも、紫恩……それで風邪引いたら、許さないんだからね!」

「……ありがとう……さぁ、図書館に行こうか」

優しく微笑んだ紫恩は、僕の手を掴むと歩き出す。

……頬が熱いのは、寒さのせいだと思いたい。
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