今日は、クリスマスだ！
「でも、今日はクラル様の誕生日だからね。パーティーが出来ないわけじゃないよ……今日は、クラル様にとっての誕生日会、僕らにとってのクリスマスパーティーとして楽しんだら良いんだよ」

僕の言葉にアーサーとティムは、同時に僕を見た。

「……それもそうか。パーティーには、変わりないしな」

そう言いながら、アーサーは脚立から飛び降りる。

「……ル、チェ……？」

アーサーが地面に着地した瞬間、近くから声がした。

「……クラル様、目が覚めました？」

僕が声がした方を見ると、眠ってたクラルが目を覚ましたのか僕を見つめてる。

「……ここ、は……」

体を起こしながら、クラル様は辺りを見渡した。

「……冒険者育成学校の教室ですよ」

僕はそう言いながら立ち上がると、指を弾く。次の瞬間、小さな花火が上がった。

「……ルーチェ、こんな魔法あったかの？」

校長先生の言葉に、僕は「いえ。僕が、今日のために編み出した魔法です」と微笑む。

「……今日の、ために……？」

クラル様はまだ状況を把握出来てないのか、首を傾げた。

「……クラル様、お誕生日おめでとうございます。今日のために、クラル様に内緒で皆で準備してたんです」

そう言って、床に座り込んでるクラル様に手を差し出す。

「……！」
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