名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「日帰りじゃ、美優ちゃんが可哀想だし、1泊じゃ忙せわしないし、やっぱり、2泊3日は、欲しいと思うわけだ」

「だから、行かないって言っているでしょう?」
 あ、キツイ口調になってしまった。
「あ、ごめん」

「いや、俺の方こそ、しつこく言って悪かった。ごめん、夏希。実は、俺の父親、病気で自宅療養中なんだ。コッチに出て来れないから、孫に会わせてあげられるのは行くしかないんだ」

 事情は分かった。でも、元カレと一緒に実家を訪ねるのって、すっごい抵抗感がある。
 それに私は、朝倉先生と付き合い始めた大切な時期。誤解を与えるような行動は慎みたい。今日、こうして会っている事ですら申し訳ない感じがするのにどうしたらいいのだろう?
 現地集合・現地解散を希望したいところだが、乳幼児を連れて長時間の車の移動は自分ひとりでは、キビシイ。
 これは、もう答えはただ一つ!




「取り敢えず、保留で!」
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