名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「初めて?」

 朝倉先生も目を見開いた。

「はい、初めてです。一人で立ったのは今までありましたけど、足が出たのは初めてです。今、生後10ヶ月だから早い方かもしれません」

「美優ちゃんは、凄いな。優秀だ」

 美優は、朝倉先生に高い高いをしてもらって、キャッキャッとはしゃいでいた。

「美優ちゃんには、いつも力をもらうな」

「翔也さんのところに行きたかったんですね」

「嬉しいな。嫁にはやらんって、言う気持ちになるよ」
 二人でまたクスクスと笑った。
 
夕飯は、朝倉先生が手料理を振舞ってくれると言って、キッチンに入っていった。エプロンを付けた朝倉先生もまた魅力的。袖をまくりシャツから出ている腕がセクシーに見えて、ちょっとした事にドキドキしている。

「作っている間にお風呂入ってくれば?」

 と言われ、ひゃー。と思ったが、美優が眠くならないうちにお風呂に入った方が良いとの配慮。
 考えすぎの自分が恥ずかしい。
< 163 / 274 >

この作品をシェア

pagetop