名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「お風呂沸かしてあるから入ってきたら?」
 
「いいんですか? その間、美優のお世話もお願いすることになちゃいますが……」

「どうぞ、美優ちゃんと遊んでいるからバスタブにゆっくり浸かっておいで」
 
「ありがとうございます。お借りします」
 
 朝からお風呂なんて、スゴイ贅沢気分だ。
 それも一人でゆっくり入るのも久しぶり。
 ワンオペの育児では、眠る事もお風呂に入る事も子供の事を見ていないといけないからゆっくりとした時間が取れない。自分のために使う時間がこれほど贅沢なものとは、子供が出来るまで考えた事もなかった。

 脱衣室に入ってルームウェアを脱ぐと胸や首筋、お腹にキスマークをの痕が無数についているのが、洗面台の鏡に映った。
 普段、穏やかな朝倉先生があんなに情熱的になるなんて……。
 昨日の夜を思い出し、顔が赤くなる。
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