御曹司は天使クラス ~あなたのエールに応えたい~
「グリーンカレー…いいですね。作って練習しなきゃ」
何気なく、夏美は言ってから、口を押さえた。これでは、また食べに来ませんかと誘っているみたいだ。隆が、じっと夏美の顔を見つめて言った。
「夏美ちゃん、また僕にごちそうしてくれるの?」
「いえ、あの…隆さん、美味しそうに食べてくれるから…えっと、お茶、入れますね」
ワインが残り少なくなっていたので、夏美は慌ててキッチンへと立った。お茶を入れながらうまくはぐらかせたか自信がなかった。夏美的には隆にぐいぐい詰め寄るつもりはないのに、何故かそうなってしまう。隆にうまく誘導されている気もするけれど、その手にまんまと乗ってしまうカンタンな女だと思われるのも嫌なのだ。
どうしよう…何か、雰囲気を変えるような事ってできないかな…。
夏美は紅茶を入れながら考えた。デザートは、バイト帰りに買ったチーズケーキだった。あずさも美味しいと話していたから、隆も気に入ってくれるだろう。結果的にはその予想は大当たりで、隆からは「どこの店で買ったか教えて」と言われた。
食事も終えて、お茶も飲んで、楽しい時間が終わりに近づいてきた。
夏美は、なんとなくまだ隆にこの部屋に居てほしかった。かと言って、思いつく話題もない。下手に喋って、夏美の気持がバレるのも避けたい。
何かないだろうか、と頭をめぐらして、はっ、と思いつく。
「隆さん、占いとか興味ありますか」
「え?」
「私、実は占いが少しできるんです。簡単なタロット占いですけど。高校時代、ちょっとはまっていたことがあって、友達のことを占ってあげたりとかしてたんですよ。気分転換に、ちょっとしてみませんか」
「へえ。夏美ちゃんが占ってくれるんだ。面白そうだな」
目をきときとさせて、隆が言う。
テーブルの上を綺麗に片付けてから、夏美はタロットカードを切った。隆が興味深そうに、その手順を見守っている。
切ったカードを夏美は丁寧に並べた。
「えーと、最初に出てくるカードが、隆さんの現在を表しています。あ、皇帝のカードが出ました。このカードは、頼もしい、行動力がある、リーダーシップがある…隆さんがそういう頼れるタイプだっていうことがわかります」
「そう?僕、そうかな」
「うん。あってると思います。実際、私の似顔絵も隆さんの行動力で稼がせてもらえたし。次に、隆さんの近い未来を占いますね」
何気なく、夏美は言ってから、口を押さえた。これでは、また食べに来ませんかと誘っているみたいだ。隆が、じっと夏美の顔を見つめて言った。
「夏美ちゃん、また僕にごちそうしてくれるの?」
「いえ、あの…隆さん、美味しそうに食べてくれるから…えっと、お茶、入れますね」
ワインが残り少なくなっていたので、夏美は慌ててキッチンへと立った。お茶を入れながらうまくはぐらかせたか自信がなかった。夏美的には隆にぐいぐい詰め寄るつもりはないのに、何故かそうなってしまう。隆にうまく誘導されている気もするけれど、その手にまんまと乗ってしまうカンタンな女だと思われるのも嫌なのだ。
どうしよう…何か、雰囲気を変えるような事ってできないかな…。
夏美は紅茶を入れながら考えた。デザートは、バイト帰りに買ったチーズケーキだった。あずさも美味しいと話していたから、隆も気に入ってくれるだろう。結果的にはその予想は大当たりで、隆からは「どこの店で買ったか教えて」と言われた。
食事も終えて、お茶も飲んで、楽しい時間が終わりに近づいてきた。
夏美は、なんとなくまだ隆にこの部屋に居てほしかった。かと言って、思いつく話題もない。下手に喋って、夏美の気持がバレるのも避けたい。
何かないだろうか、と頭をめぐらして、はっ、と思いつく。
「隆さん、占いとか興味ありますか」
「え?」
「私、実は占いが少しできるんです。簡単なタロット占いですけど。高校時代、ちょっとはまっていたことがあって、友達のことを占ってあげたりとかしてたんですよ。気分転換に、ちょっとしてみませんか」
「へえ。夏美ちゃんが占ってくれるんだ。面白そうだな」
目をきときとさせて、隆が言う。
テーブルの上を綺麗に片付けてから、夏美はタロットカードを切った。隆が興味深そうに、その手順を見守っている。
切ったカードを夏美は丁寧に並べた。
「えーと、最初に出てくるカードが、隆さんの現在を表しています。あ、皇帝のカードが出ました。このカードは、頼もしい、行動力がある、リーダーシップがある…隆さんがそういう頼れるタイプだっていうことがわかります」
「そう?僕、そうかな」
「うん。あってると思います。実際、私の似顔絵も隆さんの行動力で稼がせてもらえたし。次に、隆さんの近い未来を占いますね」