御曹司は天使クラス ~あなたのエールに応えたい~
ぱた、とカードをめくって、夏美は言葉に詰まった。
表情が硬くなった夏美の顔を、隆が不思議そうな顔で見る。
「どうしたの。これ、何のカード?」
「えっと、これは…その…」
「言いにくいの?僕、事故にあうとか、そういうの出ちゃった?」
隆の顔が心配そうなものになる。
「いえ!そうじゃないんです。そうじゃなくて…」
「なあに?」
「これは、その…恋人が現れる、恋愛のカードです」
隆が一瞬、きょとん、とした顔をして、それからにやっと笑った。
「夏美ちゃん、仕組んだでしょ。最初からこのカードが出るようにしてなかった?」
夏美は慌てて首を振る。
「なんてこと言うんですか!そんなことないですよ!めくっちゃったらこのカードが…よ、よかったですね。隆さん、最愛の恋人ができそうですよ」
「…夏美ちゃん」
「あ、できるとか言っちゃダメか。もう隆さんには、素敵な恋人がいますよね、きっと」
自分でも言ってることが支離滅裂だ、と思いながらも言葉を止めることができない。
「夏美ちゃん!」
隆の声が少し、とがった。びく、として夏美は喋るのを止めた。
「僕、つきあってる恋人がいるのに、一人暮らしの女の子の部屋に来たりしないよ」
夏美のおろおろとざわついていた心が、ぴたりと落ち着いた。
「僕、ちゃんと言ったよね。夏美ちゃんと離れ難く思ってるって…嘘とか、リップサービスとかじゃないよ。夏美ちゃんが、好きなんだ」
夏美は口を小さく開けたまま固まった。
一番、聞きたかった言葉を、今聞いたのだ。隆の言葉を反芻して、噛み締める。
次の瞬間、夏美は、ぽろり、と涙をひとしずく流した。
「わ、夏美ちゃん、泣かないで」
隆がおろおろと膝を使って、夏美の側にくる。
「だ、だって…嘘みたいで…」
「嘘じゃないって、言ってるじゃない。もう、泣かないでよ。僕だって泣いちゃうよ?」
「ええ?」
隆が思いがけないことを言うので、夏美は笑ってしまう。泣いたり、笑ったり忙しい。
「もう笑ってる。面白い子だな、ほんとに」
隆が、側にあったティッシュ箱から一枚とって、頬の涙をふいてくれる。
「た、隆さんのせいですよう…」
「可愛すぎる夏美ちゃんが一番悪い」
そう言って、今度は、夏美の頬を両手でひっぱる。
「い、いたた…」
「もう、ほんとに…」
表情が硬くなった夏美の顔を、隆が不思議そうな顔で見る。
「どうしたの。これ、何のカード?」
「えっと、これは…その…」
「言いにくいの?僕、事故にあうとか、そういうの出ちゃった?」
隆の顔が心配そうなものになる。
「いえ!そうじゃないんです。そうじゃなくて…」
「なあに?」
「これは、その…恋人が現れる、恋愛のカードです」
隆が一瞬、きょとん、とした顔をして、それからにやっと笑った。
「夏美ちゃん、仕組んだでしょ。最初からこのカードが出るようにしてなかった?」
夏美は慌てて首を振る。
「なんてこと言うんですか!そんなことないですよ!めくっちゃったらこのカードが…よ、よかったですね。隆さん、最愛の恋人ができそうですよ」
「…夏美ちゃん」
「あ、できるとか言っちゃダメか。もう隆さんには、素敵な恋人がいますよね、きっと」
自分でも言ってることが支離滅裂だ、と思いながらも言葉を止めることができない。
「夏美ちゃん!」
隆の声が少し、とがった。びく、として夏美は喋るのを止めた。
「僕、つきあってる恋人がいるのに、一人暮らしの女の子の部屋に来たりしないよ」
夏美のおろおろとざわついていた心が、ぴたりと落ち着いた。
「僕、ちゃんと言ったよね。夏美ちゃんと離れ難く思ってるって…嘘とか、リップサービスとかじゃないよ。夏美ちゃんが、好きなんだ」
夏美は口を小さく開けたまま固まった。
一番、聞きたかった言葉を、今聞いたのだ。隆の言葉を反芻して、噛み締める。
次の瞬間、夏美は、ぽろり、と涙をひとしずく流した。
「わ、夏美ちゃん、泣かないで」
隆がおろおろと膝を使って、夏美の側にくる。
「だ、だって…嘘みたいで…」
「嘘じゃないって、言ってるじゃない。もう、泣かないでよ。僕だって泣いちゃうよ?」
「ええ?」
隆が思いがけないことを言うので、夏美は笑ってしまう。泣いたり、笑ったり忙しい。
「もう笑ってる。面白い子だな、ほんとに」
隆が、側にあったティッシュ箱から一枚とって、頬の涙をふいてくれる。
「た、隆さんのせいですよう…」
「可愛すぎる夏美ちゃんが一番悪い」
そう言って、今度は、夏美の頬を両手でひっぱる。
「い、いたた…」
「もう、ほんとに…」