御曹司は天使クラス ~あなたのエールに応えたい~
頬をひっぱるのをやめて、今度は、そっと両手で夏美の頬を包み込む。
「ちゃんと、好き、だからね」
そう言って、隆の顔が近づいてきた。夏美は、慌てて目をつむった。そっと隆の唇が夏美のそれと触れあう。
隆の唇の温度を感じる。触れ合うだけの軽いキスが繰り返される。
キスは段々深くなっていき、ワンピースのファスナーに隆の指がかかった時、夏美は正気に戻った。
「だめ…隆さ…んっ」
そう言う夏美の口をふさごうと、なおも隆がキスを繰り返そうとするのを、夏美はなんとか制した。少しだけ強めに、隆の胸を押したのだ。
やっとキスが終わり、夏美の目をのぞきこむように見つめながら隆が呟いた。
「ごめん。…なんか、止まらなくなっちゃって…」
夏美は無言で首を振った。
キスされたのは嫌じゃなかった。理性がおしとどめなかったら、体を許してしまっていただろう。でも。
「私も隆さんが好き…でも、私、隆さんのこと、何も知らないから…」
ちゃんと深く知り合ってから、体を重ねたい。そう伝えたかった。
隆は、夏美の頭を抱え込んだ。
「そうだね。急ぐ必要なんて、ないよね。僕も、もっと夏美ちゃんのことを知りたいよ」
そう言って、夏美の頭のてっぺんに、ちゅっ、と軽いキスをした。
夏美は、隆が理解してくれたことにほっとして、安心して、頭を隆の肩に乗せた。
しばらくそうやって抱き合ったままで時間がすぎた。
「…夏美ちゃん、僕、もう少ししたら帰るね」
そっと体を離して座りなおした隆が言った。
「うん。もう遅いものね」
そう言いながらも、心の奥底ではもう一人の自分が「もう帰っちゃうんだ…」と落胆している。その気持を押しやって、夏美は笑顔を作った。
「後片付け、手伝うよ」
シンクには、さっき食べ終えた料理の皿が置いたままになっていた。隆が帰った後に洗おうと思っていた。
「私がやるから、いいのに」
「いいの、いいの。二人でやったら労力半分、でしょ」
さっと立ち上がる隆に手を取られて、夏美も立ち上がる。
二人並んでキッチンに立った。夏美が皿を洗い、隆が拭く。
「夏美ちゃんはさ、一人で制作に取り組みたいタイプ?」
「制作って…イラストのことですか?」
「そう。いるじゃない、私のアトリエには誰も入れません、っていう芸術家」
「ああ…確かに集中はできるけど…そこまでは神経質じゃ、ないかも」
「ちゃんと、好き、だからね」
そう言って、隆の顔が近づいてきた。夏美は、慌てて目をつむった。そっと隆の唇が夏美のそれと触れあう。
隆の唇の温度を感じる。触れ合うだけの軽いキスが繰り返される。
キスは段々深くなっていき、ワンピースのファスナーに隆の指がかかった時、夏美は正気に戻った。
「だめ…隆さ…んっ」
そう言う夏美の口をふさごうと、なおも隆がキスを繰り返そうとするのを、夏美はなんとか制した。少しだけ強めに、隆の胸を押したのだ。
やっとキスが終わり、夏美の目をのぞきこむように見つめながら隆が呟いた。
「ごめん。…なんか、止まらなくなっちゃって…」
夏美は無言で首を振った。
キスされたのは嫌じゃなかった。理性がおしとどめなかったら、体を許してしまっていただろう。でも。
「私も隆さんが好き…でも、私、隆さんのこと、何も知らないから…」
ちゃんと深く知り合ってから、体を重ねたい。そう伝えたかった。
隆は、夏美の頭を抱え込んだ。
「そうだね。急ぐ必要なんて、ないよね。僕も、もっと夏美ちゃんのことを知りたいよ」
そう言って、夏美の頭のてっぺんに、ちゅっ、と軽いキスをした。
夏美は、隆が理解してくれたことにほっとして、安心して、頭を隆の肩に乗せた。
しばらくそうやって抱き合ったままで時間がすぎた。
「…夏美ちゃん、僕、もう少ししたら帰るね」
そっと体を離して座りなおした隆が言った。
「うん。もう遅いものね」
そう言いながらも、心の奥底ではもう一人の自分が「もう帰っちゃうんだ…」と落胆している。その気持を押しやって、夏美は笑顔を作った。
「後片付け、手伝うよ」
シンクには、さっき食べ終えた料理の皿が置いたままになっていた。隆が帰った後に洗おうと思っていた。
「私がやるから、いいのに」
「いいの、いいの。二人でやったら労力半分、でしょ」
さっと立ち上がる隆に手を取られて、夏美も立ち上がる。
二人並んでキッチンに立った。夏美が皿を洗い、隆が拭く。
「夏美ちゃんはさ、一人で制作に取り組みたいタイプ?」
「制作って…イラストのことですか?」
「そう。いるじゃない、私のアトリエには誰も入れません、っていう芸術家」
「ああ…確かに集中はできるけど…そこまでは神経質じゃ、ないかも」