御曹司は天使クラス ~あなたのエールに応えたい~
「じゃあさ、今週末、この部屋に来ても、いいかな。夏美ちゃんの、イラスト制作の邪魔はしないから」
夏美は目を見開いた。当分は、自分がコンテスト用のイラストを描く、と言ってしまっていた手前、隆を自分から誘うのはどうかと考えていたのだ。
「うん…!私も、隆さんに、会いたい」
隆は夏美の頭をくしゃくしゃっとした。
「素直な、イイコだ」
「隆さん、手が冷たい」
隆は濡れた皿を触った手で夏美に触れていた。あ、ごめん!と隆が慌てて手を引っ込めたのがおかしくて、夏美も笑ってしまう。
「あのさ、僕、夏美ちゃんの絵ってまだ少ししか見たことないんだけど」
そういえば、と思い出して夏美は言った。
「そうだった。今日も、私が今まで描いた絵を見てもらって、隆さんに意見をもらおうと思ってたんです」
「僕じゃ大した意見は言えないかもしれないけど…純粋に夏美ちゃんの絵がどんなのか見てみたくてさ。ちなみに、今度制作するイラストのコンテストは、どんなものなの?」
「風景画のポスターのコンテストなんです。どんな画材を使ってもよくて。楽しそうだなあ、と思って」
「へえ。似顔絵が得意だから、人を描くのかと思っていたよ」
「ええ…今は、色んなものを描いてみたいっていうか。そういう時期なんだと思います」
そう言いながらも、夏美にもどんな絵が夏美のよさをフルに発揮できるのか、探しあぐねていた。描いても、描いても、何か違うような気がする。でも、描かずにもいられない。
「ふう…ん。まあ、チャレンジは大事だよね。がんばって。応援してる」
「ありがとうございます」
夏美がそう言って微笑むと、隆が唇をとがらせた。
「夏美ちゃんの、その敬語、ちょっとよそよそしくない?もうちゅーだってしたのにさあ」
「ええ?いやでも、だからって急になれなれしくなるのも違うんじゃ…」
何となく、気安くしてしまうのはいけないような気がする。
「固いなあ。そこがいいんだけど。これじゃ、名前呼びなんて到底無理じゃん」
「名前呼びって」
「隆って言ってごらん」
「…!無理です!」
「ええー。つまんないなあ。まあ、いいか固い夏美ちゃんをやわらかくしていくのを楽しむことにするよ」
夏美は目を見開いた。当分は、自分がコンテスト用のイラストを描く、と言ってしまっていた手前、隆を自分から誘うのはどうかと考えていたのだ。
「うん…!私も、隆さんに、会いたい」
隆は夏美の頭をくしゃくしゃっとした。
「素直な、イイコだ」
「隆さん、手が冷たい」
隆は濡れた皿を触った手で夏美に触れていた。あ、ごめん!と隆が慌てて手を引っ込めたのがおかしくて、夏美も笑ってしまう。
「あのさ、僕、夏美ちゃんの絵ってまだ少ししか見たことないんだけど」
そういえば、と思い出して夏美は言った。
「そうだった。今日も、私が今まで描いた絵を見てもらって、隆さんに意見をもらおうと思ってたんです」
「僕じゃ大した意見は言えないかもしれないけど…純粋に夏美ちゃんの絵がどんなのか見てみたくてさ。ちなみに、今度制作するイラストのコンテストは、どんなものなの?」
「風景画のポスターのコンテストなんです。どんな画材を使ってもよくて。楽しそうだなあ、と思って」
「へえ。似顔絵が得意だから、人を描くのかと思っていたよ」
「ええ…今は、色んなものを描いてみたいっていうか。そういう時期なんだと思います」
そう言いながらも、夏美にもどんな絵が夏美のよさをフルに発揮できるのか、探しあぐねていた。描いても、描いても、何か違うような気がする。でも、描かずにもいられない。
「ふう…ん。まあ、チャレンジは大事だよね。がんばって。応援してる」
「ありがとうございます」
夏美がそう言って微笑むと、隆が唇をとがらせた。
「夏美ちゃんの、その敬語、ちょっとよそよそしくない?もうちゅーだってしたのにさあ」
「ええ?いやでも、だからって急になれなれしくなるのも違うんじゃ…」
何となく、気安くしてしまうのはいけないような気がする。
「固いなあ。そこがいいんだけど。これじゃ、名前呼びなんて到底無理じゃん」
「名前呼びって」
「隆って言ってごらん」
「…!無理です!」
「ええー。つまんないなあ。まあ、いいか固い夏美ちゃんをやわらかくしていくのを楽しむことにするよ」