御曹司は天使クラス ~あなたのエールに応えたい~
夏美は目がテンになった。口をぱくぱくさせて、何か言おうとするが、言葉が出てこない。
「戸坂、どんな感じ」
めいっぱい驚いている夏美のことはスルーして、隆は戸坂にきいた。
「そうですね。副社長の言っていたように、この女の子の連作、はまると思います」
「そうだろう。僕も、濱見崎先生のイメージに近いと思うんだ。どうかな」
「リモートでつなげていいというお話でした。早速呼んでみましょう」
戸坂が側にあったノートパソコンを引き寄せ、キーボードをカタカタ言わせる。夏美は何がどうなっているのか、目の前の隆と戸坂を見守るしかない。すると、スマホの着信音が流れた。失礼、と声をあげて、戸坂がスーツの内ポケットに入っていたスマホを取り出す。
「おや、これは」
スマホの液晶画面を見てそう言うと、すぐに出た。
「濱見崎先生。今、連絡しようとしてたところです。え、もう下にいらっしゃるんですか。ええ。六階の会議室です。はい。お待ちしています」
スマホを切ると、戸坂が隆に言った。
「濱見崎先生、こちらに来られているそうです。すぐいらっしゃると思います」
隆は嬉しそうに、へえ、と声をあげた。
「よかったね。沢渡さん。生の濱見崎俊也に会えるよ」
ハマミサキ…?どこかで聞いたことがある名前…。
夏美はそう思ったが、どこの誰だったか思い出せない。夏美としては、早く隆と二人きりになって、「副社長だなんて、聞いてないです!」と言って問い詰めたくて仕方なかった。
それに沢渡さん、という呼び方。戸坂に隆と夏美がつきあっていることは隠した方がいいのだろうか。色んな疑問符が飛んできて、夏美の頭の中はぱんぱんだった。
そこに、ドアをノックする音が響いた。
「どうぞ」
隆がいうと、ドアが開き、会議室へ長身の男性が入ってきた。ロングカーディガンで首元にはストールを巻いている。細長いタイトな皮のパンツをはいていて、よく似合っている。隆も綺麗な顔をしているが、隆が洋風だとしたら、この男性は和風だった。黒い髪の毛を短く切っていて、切れ長の目をしている。年齢は三十代半ばに見えた。
「お疲れ様、隆。戸坂さん。いいものを見せてくれるらしいね」
低くてハスキーな声だった。その言葉を聞いて、隆がにっこりと微笑む。
「濱見崎先生こそ。お忙しいのに、来てくださってありがとうございます。よく時間ができましたね」
「戸坂、どんな感じ」
めいっぱい驚いている夏美のことはスルーして、隆は戸坂にきいた。
「そうですね。副社長の言っていたように、この女の子の連作、はまると思います」
「そうだろう。僕も、濱見崎先生のイメージに近いと思うんだ。どうかな」
「リモートでつなげていいというお話でした。早速呼んでみましょう」
戸坂が側にあったノートパソコンを引き寄せ、キーボードをカタカタ言わせる。夏美は何がどうなっているのか、目の前の隆と戸坂を見守るしかない。すると、スマホの着信音が流れた。失礼、と声をあげて、戸坂がスーツの内ポケットに入っていたスマホを取り出す。
「おや、これは」
スマホの液晶画面を見てそう言うと、すぐに出た。
「濱見崎先生。今、連絡しようとしてたところです。え、もう下にいらっしゃるんですか。ええ。六階の会議室です。はい。お待ちしています」
スマホを切ると、戸坂が隆に言った。
「濱見崎先生、こちらに来られているそうです。すぐいらっしゃると思います」
隆は嬉しそうに、へえ、と声をあげた。
「よかったね。沢渡さん。生の濱見崎俊也に会えるよ」
ハマミサキ…?どこかで聞いたことがある名前…。
夏美はそう思ったが、どこの誰だったか思い出せない。夏美としては、早く隆と二人きりになって、「副社長だなんて、聞いてないです!」と言って問い詰めたくて仕方なかった。
それに沢渡さん、という呼び方。戸坂に隆と夏美がつきあっていることは隠した方がいいのだろうか。色んな疑問符が飛んできて、夏美の頭の中はぱんぱんだった。
そこに、ドアをノックする音が響いた。
「どうぞ」
隆がいうと、ドアが開き、会議室へ長身の男性が入ってきた。ロングカーディガンで首元にはストールを巻いている。細長いタイトな皮のパンツをはいていて、よく似合っている。隆も綺麗な顔をしているが、隆が洋風だとしたら、この男性は和風だった。黒い髪の毛を短く切っていて、切れ長の目をしている。年齢は三十代半ばに見えた。
「お疲れ様、隆。戸坂さん。いいものを見せてくれるらしいね」
低くてハスキーな声だった。その言葉を聞いて、隆がにっこりと微笑む。
「濱見崎先生こそ。お忙しいのに、来てくださってありがとうございます。よく時間ができましたね」