僕らの紡いだ音!

「……なんで歌えるんだよ、お前?」
「なんでって言われても…?」
歌い終わってから問い詰められて気づいたことは3つー。
1つは、歌いきってしまったこと。
これは、極まれにあることらしいので平気だ。
2つ目は、音程通りに歌ったこと。
これも、歌手の人なら良くあることらしいので問題はない。
3つ目は、アレンジしたこと。
これが一番の問題である。
普通はしないらしい。
今までそうしてきたから知らなかった。
(どうしよう…。)
ってか、シノ、ちゃんと教えてよ。いつも「それ採用!」って言ってたから普通だと思っていた。
「SINOってさ…もしかして『WINGS』のSINO?」
「っ!?」
そういわれて、びくついてしまった。
それを見てさらに問い詰められた。
「『WINGS』ってあの突然解散した覆面グループの!?えっ?じゃあ、SINOってすごい歌手なんだね!じゃあ、MOKAもソロで活動してるの?」
「あ……。っ…。」
「SINO。もう時間だから上がっていいわ。明日はoffだからゆっくり休んでね。」
綾乃が間に入ってくれた。
その間に私はスタジオから出ていった。


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