僕らの紡いだ音!
思い出

「きーらーきーらーひーかーるー」
「おーそーらーのーほーしーよー」
私は幼馴染の一真忍と歌いながら歩いていた。
これは、小学生の頃の話である。
「まーたーたーきーしーてーはー」
「みーんーなーもーきーえーるー」
シノと歌うのは楽しい。
『きらきら星』の歌のように空に音があふれてくる。
シノといつまでも一緒にいられるとその時の私は信じていた。
「モカ、相変わらずうまいよな。」
「うん?」
「歌ってるときいきてる感じだよな。」
「おなかすいたね、シノ。」
「話変わってる。……ほら、飴。」
「ありがとう!シノ。……あんこ味?へんなの。」
「うまいか?」
「うん。……シノがいるからだよ。」
「なんて?」
「シノと歌えてるからいきてるんだよ。」
「変な奴……。」
他愛ない話をするのも好き。
私のもう一つの声―。

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