僕らの紡いだ音!
「篠宮さん~、一真君が言ってたのって本当なの~?」
「言ってたのって?」
「篠宮さんが歌うまいってことだよ。」
そういわれてシノに会いたくなった。
でも、その子たちはくすくす笑いながら言った。
「でも、どうせそんなことないんでしょ。」
「……。」
「ほら、何も言えない。」
「もう行こっ!」
そういってその子たちは教室を出ていった。
それを見ながら同じクラスの子が怒ったように言った。
「何あれ、感じ悪~い。」
「篠宮さん、気にしなくていいんだからね!」
「……うん、ありがとう。」
そういうと、萌香は少し考えた。
(シノ、私のこと褒めてくれてたんだ…。うれしいな…。でも)
どうしてシノのクラスの子が聞きに来たんだろう?
その時は深く考えなかった―。