僕らの紡いだ音!
2度めまして
「…!…!…萌香!」
「……!?」
肩をゆすられて私は目を覚ました。
心配そうに顔を覗き込んでくる社長と綾乃さん。
何気なしに窓の外を見ると、汗をかいている少女の姿が映った。
「うなされていたみたいだったけど、大丈夫?」
「……平気。昔の夢を見てただけ。」
「…そうか。もうすぐ着くからゆっくりしなさい。」
そう社長はいうと、それ以上何も聞いてこなかった。
そのことに安堵しながら私は明後日から行く、学校のことを何気なしに考えた。
(きっと、大丈夫。私のこと誰も知らないらしいし。)
一人でいることにはもう慣れたから、友達ができなくても平気。でも、音楽の授業の時は気を付けよう。歌うことが好きって思われるぐらいの感じで歌えば大丈夫なはず。
そう考えているとマンションが見えてきた。
そして、運転手が後ろを向いて行ってきた。
「つきましたよー。萌香ちゃん、綾乃さんまたねー。」
「ありがとう。後藤君。」
「ありがとうございます、後藤さん。社長もお疲れさまでした。」
「おお、またな。次の仕事は明後日だからな。その前に学校まで送るから朝に会うことになるのか。」
そういうと、社長は豪快に笑った。
そして車を見送ってからマンションの中に入った。
そして部屋の前についてから振り返った。
「じゃあ、綾乃さんもお疲れ様です。」
「お疲れさま。何かあったら連絡を入れること。とはいっても隣だけどね。」
「はい。では明後日の朝にまた。」
そういうと、私は鍵を開けて部屋に入った。