僕らの紡いだ音!

SINOと名乗った少女とマネと社長と呼ばれていた男性がスタジオから出ていった後、3人は社長さんが言っていたことを考えていた。
「調べるなっていうことだろうけど、つまり『WING』って解散したわけじゃないってことか?」
「それにしてはおかしいと思うな。あの子の様子からして解散はしてるんじゃないかな。」
「まぁ、じゃないとソロ活動はしないよな。」
そういうと、3人は黙ってスタジオを片付けた。
「次もちゃんときてくれるかな?」
「隼人、どれだけ惚れてんだよ。」
「だって、あの娘まだ本気で歌ってないようだし。それに、聞いてて心地がいいんだ。」
「まぁ、わからなくもないけど。そういう海人はどうなんだ?」
「認めたくないけど、上手いから認めちまう。」
「だよなー。あれだけの声持ってんのにうまく発揮してないってのはなんか俺的には嫌なんだよな。」
「じゃあ、また合わせてほしいって連絡入れようか。月曜日ぐらいにでも。」
「そうだな。隼人、頼むわ。」
「隼人、よろしく。」
「OK。じゃあ、連絡が来たら教えるから。」
「月曜からまた学校かよ。だりーな。」
「海人。中3が何言ってんだよ。」
「しかも、うちは高校までエレベーター式になってるからよほどでない限り、上がれるよ。」
「そうなんだけどさー、クラスになじめないんだよ。」
「海人は素直じゃないからねー。友達はいないの?」
「うるせー。そういう彰人と隼人だっていないんじゃないのか?」
「先輩だろうが。俺らは同じクラスだし、友達もいるから。」
「うん。だから海人も頑張って作るんだよ。」
そう言いあいながら、俺たちはシェアハウス兼自宅に向かった。

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