僕らの紡いだ音!
あれから何日たっただろうか。
彼女はクラスの奴らと話していて、放課後は用事があるといい、全然話せていない。
じゃあ、昼休みにと思えばどこにいるかわからない。
もしかして俺ら、避けられているのか?
もしそうなら理由ぐらい教えてほしいと思う。
「あのさ~、それ本人に言えばよくね?」
「そうだね。そんなに気になるなら聞いてみたら?」
「……どうやってだよ?」
「そういうのは、自分で考えるべきことじゃないかな?」
「そんなこと言われたって……。」
そんな感じでもう何日もこのありさまだ。
いい加減、自分でもどうにかしないといけないとは思っている。
そんな時、控えめに扉をたたく音が聞こえた。
多分隣の部屋だろうと思っていると、扉が開かれた。
「……。」
『……。』
入ってきたのは、今まさに避けられているのではないかと言っていた転校生だった。
転校生はきょとんとしていて、教室名を見て間違えたことに気づいたらしい。
「……。」
そして何も言わずに扉を閉めた。
「……。」
「……。」
「……。」
3人で顔を見合わせて転校生を追いかけた。
「ちょっと待てー!」
そういいながら、転校生を追いかけたが全く止まる気配がない。むしろ速くなっている。
「ちょっと君!止まってほしいんだけど。」
「……。」
やっぱりだんだん早くなっている。
「ちょっと待てっていっているだろうがー!」
そういって海人が全速力で追いかけた。
「こういう時の決断力をクラスで生かせばいいのにな。」
そんな声が聞こえた気がしたけれど、聞こえないふりをして追いかけた。