僕らの紡いだ音!


『…何やってんだ(の)?』
海人に追いついて俺らは一番最初に突っ込んだ。
どうやら追いついた拍子に思いっきり引っ張ったらしく海人が下敷きになっている。
「……。」
少女は黙って海人からどいた。
そして、服についたほこりを払って聞いた。
「何?」
「この前話がしたいって言っただろう?」
「話すことはないって私は言ったわ。」
「君にはなくても僕らにはある。聞くだけでもダメかな?」
「……こんなふうに無理やりじゃないならいいけれど…。」
「こんなふうになったのはお前が逃げるからだろう…。」
海人がようやく起き上がって言った言葉に少女はきょとんとしながら言った。
「いきなり追いかけてくる人には言われたくないし、それに……。」
そこまで言って少女は口ごもった。
どうしたのかと聞くと視線をそらしながら答えた。
「ものすごい剣幕で追いかけてきたから。」
『……。』
それを言われると、何も言い返せない。
3人そろって何も言えないでいると、くすっと笑う声が聞こえた。そのほうを見ると少女が楽しそうに笑っていた。クラスの奴らと笑うときのような飾った笑顔ではなく心の底からの笑顔のようだった。

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