僕らの紡いだ音!
3人が合わせているころ―。
「綾乃さん、遅れたこと言わなくていいの?」
なんとなくそういってみた。
すると、綾乃がにやにやしながら振り返っていった。
「今までそんなこと気にしてなかったのに、楽しみなの?」
「……こっちから時間とか指定して遅れることが少し申し訳ないだけ。」
そう、すねたように言うと社長が笑いながら言った。
「はははっ。萌香がそんなことを気にするなんてな。」
そういわれると、言葉もない。
知らないふりをして私はスタジオに向かった。
そして、スタジオが近くなった時足を止めた。
その様子に社長と綾乃さんが首をかしげた。
「どうしたんだ?」
「この曲……。」
「曲?どうかしたの?」
「私たちの曲。カバーしてる。」
そういうと、2人は耳を澄ました。
スタジオから聞こえるのは、『さよならはいわないで』だった。
『WINGS』だったころ、SINOこと一真忍と一緒によく歌った曲だ。
「萌香、つらいか…?」
そう社長が聞いてきたけど、私は答えなかった。
その曲が終わったのを見計らってから私たちはスタジオに入った。
「あっ…」
3人がこっちを見て声を上げた。
「予定時間過ぎてんだけど!」
「ごめんなさい。」
「まあまあ、海人。落ち着いて。」
「こっちは30分前に来てんだぞ!隼人。」
「2人とも落ち着け。」
「でもよ、彰人!」
わいわい騒ぐのを見て萌香は少し羨ましいと思った。
(シノ、どうして死んだの…?)
そう考えてると声をかけられた。
「はじめまして。俺らは『Sprinkled with Stars in the Sky』。通称『SSS(トリプルエス)。』俺は、空風彰人(そらかぜあきと)。ドラム担当です。」
「僕は茅ヶ崎隼人(ちがさきはやと)。ベース担当です。よろしくね。」
「俺は星風海人(ほしかぜかいと)だ。ギター担当だ。」
「私はSINO。いまはソロで活動してます。」
そういうと、自己紹介は終わりかと思うと隼人に聞かれた。
「本名は?」
「えっ?」
何を聞いてるの、この人。
そっと、マネと社長のほうを見た。
2人とも固まっている。当たり前だ。たった1回合わせるだけなのに何を言ってるんだろう。
「まだ、言えない。」
「お前!」
「じゃあ、いつなら言ってくれるのかな?SINOちゃん。」
「………信頼できるときに。」
そういうと、私はマイクの前に立った。
そして、『さよならはいわないで』をアカペラで歌った。
それを聞いて、海人が黙った。
しかし、隼人が興奮したように言った。
「やっぱり、すごくきれいな歌声だね!」
「……ありがとう。」
「君の声を聴いてビビッてきたんだ!合わせよう!」
「……曲は?」
「オリジナルでもいいかい?歌詞はこれ。」
彰人がそう言いながら渡してきた。
バラード曲のようなものだろう。
私はその時思いもしなかった。全く考えてもいなかったと言ってもいいだろう。
だって今までそうしてきたんだから―。
「綾乃さん、遅れたこと言わなくていいの?」
なんとなくそういってみた。
すると、綾乃がにやにやしながら振り返っていった。
「今までそんなこと気にしてなかったのに、楽しみなの?」
「……こっちから時間とか指定して遅れることが少し申し訳ないだけ。」
そう、すねたように言うと社長が笑いながら言った。
「はははっ。萌香がそんなことを気にするなんてな。」
そういわれると、言葉もない。
知らないふりをして私はスタジオに向かった。
そして、スタジオが近くなった時足を止めた。
その様子に社長と綾乃さんが首をかしげた。
「どうしたんだ?」
「この曲……。」
「曲?どうかしたの?」
「私たちの曲。カバーしてる。」
そういうと、2人は耳を澄ました。
スタジオから聞こえるのは、『さよならはいわないで』だった。
『WINGS』だったころ、SINOこと一真忍と一緒によく歌った曲だ。
「萌香、つらいか…?」
そう社長が聞いてきたけど、私は答えなかった。
その曲が終わったのを見計らってから私たちはスタジオに入った。
「あっ…」
3人がこっちを見て声を上げた。
「予定時間過ぎてんだけど!」
「ごめんなさい。」
「まあまあ、海人。落ち着いて。」
「こっちは30分前に来てんだぞ!隼人。」
「2人とも落ち着け。」
「でもよ、彰人!」
わいわい騒ぐのを見て萌香は少し羨ましいと思った。
(シノ、どうして死んだの…?)
そう考えてると声をかけられた。
「はじめまして。俺らは『Sprinkled with Stars in the Sky』。通称『SSS(トリプルエス)。』俺は、空風彰人(そらかぜあきと)。ドラム担当です。」
「僕は茅ヶ崎隼人(ちがさきはやと)。ベース担当です。よろしくね。」
「俺は星風海人(ほしかぜかいと)だ。ギター担当だ。」
「私はSINO。いまはソロで活動してます。」
そういうと、自己紹介は終わりかと思うと隼人に聞かれた。
「本名は?」
「えっ?」
何を聞いてるの、この人。
そっと、マネと社長のほうを見た。
2人とも固まっている。当たり前だ。たった1回合わせるだけなのに何を言ってるんだろう。
「まだ、言えない。」
「お前!」
「じゃあ、いつなら言ってくれるのかな?SINOちゃん。」
「………信頼できるときに。」
そういうと、私はマイクの前に立った。
そして、『さよならはいわないで』をアカペラで歌った。
それを聞いて、海人が黙った。
しかし、隼人が興奮したように言った。
「やっぱり、すごくきれいな歌声だね!」
「……ありがとう。」
「君の声を聴いてビビッてきたんだ!合わせよう!」
「……曲は?」
「オリジナルでもいいかい?歌詞はこれ。」
彰人がそう言いながら渡してきた。
バラード曲のようなものだろう。
私はその時思いもしなかった。全く考えてもいなかったと言ってもいいだろう。
だって今までそうしてきたんだから―。