婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!
 あのまま彼と結婚していたら、カーティスはエリーを愛妾にしていただろう。あのふたりとこれからもずっと関わるくらいなら、修道院で一生を過ごしたほうがましだった。
 そうして屋敷を追い出されたサーラは、父によって王都から離れている修道院に送られた。
 この修道院にいるのはすべて訳ありの人たちのようで、誰もが相手に深く関わらないようにして生きている。
 それでも表向きは友好的に、サーラを受け入れてくれた。
 ここで、静かに暮らそう。
 カーティスもエリーも、邪魔者が消えて喜んでいるに違いない。サーラもまた、あのふたりに二度と会わなくてもいいのかと思うと、嬉しくてたまらない。
 もう二度と、誰かの恋愛に巻き込まれるようなことはしたくないと切に願う。
 そう思っていたのに。
 なぜかカーティスが突然修道院を訪れ、サーラに謝罪したのだ。

 サーラが送られたのは、王都から少し離れた町にある規模の小さな修道院だ。
 最初は普通の修道院だと思っていた。
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