若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
――慰謝料という名の手切れ金を持って、ライバル企業の社長と再婚するなどという暴挙に出たのだ。
「わかったでしょう? あたしは貴女に恋人としてのぞまれるような女性じゃないって」
「……それでも俺は、マツリカが欲しい。いつか裏切られるとわかっていても」
「どうして? 恋人役ならもっと適任者がいるんじゃない? あと二ヶ月も寝首をかかれるかもしれない女と一緒に過ごすなんて正気の沙汰じゃないわ」
「そうだな」
「え」
はは、と乾いた笑みを浮かべてカナトはマツリカに告げる。
「俺はもう、十五年前からマツリカのことしか考えられないんだ。だから貴女になら、殺されても構わない」
「わかったでしょう? あたしは貴女に恋人としてのぞまれるような女性じゃないって」
「……それでも俺は、マツリカが欲しい。いつか裏切られるとわかっていても」
「どうして? 恋人役ならもっと適任者がいるんじゃない? あと二ヶ月も寝首をかかれるかもしれない女と一緒に過ごすなんて正気の沙汰じゃないわ」
「そうだな」
「え」
はは、と乾いた笑みを浮かべてカナトはマツリカに告げる。
「俺はもう、十五年前からマツリカのことしか考えられないんだ。だから貴女になら、殺されても構わない」