若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
 サマーバケーションでたまたま彼女を助けたことで生まれた縁だけど、このまま終わりにしてしまうのはあまりにも惜しい。幸い、彼女の父親は俺の正体を知っているみたいだし、彼女も俺が海運王の息子であることを知っている。こっちが願い出れば、拒否することはできないはずだ。
 カナトが日本へ戻ってしまっても、この先も彼女とかかわりたい。それならばいっそ。

「――俺と、結婚しよ?」
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