若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
マツリカがカナトの専属コンシェルジュになったのは迷子の浩宇を保護する前ではなく、後なのだが、そこまで複雑な事情は言えなかったのだろう。カナトはようやく落ち着いたのかマツリカの報告を耳に受けながら、うん、と首を振る。
「それで、オーギョーチーはうまかったか?」
「あ、はい。とろとろの食感のゼリーにレモン汁をかけていただきました。爽やかで美味しかったです……カナト?」
「じゃあ、いまキスしたらきっと、レモンの味だな」
「ちょッ――ンっ……!」
「それで、オーギョーチーはうまかったか?」
「あ、はい。とろとろの食感のゼリーにレモン汁をかけていただきました。爽やかで美味しかったです……カナト?」
「じゃあ、いまキスしたらきっと、レモンの味だな」
「ちょッ――ンっ……!」