若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
「ハワイでもさわっているんだから、これくらいたいしたことないだろ」
「で、でも」

 ベッドのうえでカナトに縫いつけられた状態で丁寧なキスを繰り返しながら服を乱され、マツリカは恥ずかしくて泣きそうになっている。最後まではしないと言っているけれど、自分だけがはだかに剥かれていくことが信じられなくて、つい、救いを求めるように彼を見つめてしまう。
 ふたつの胸のふくらみを下着越しに揉まれ、マツリカの声に甘さが混じる。
 彼に慈しまれながら、ワンピースの袖を抜かれ、ブラジャーとショーツだけの姿にされて、あらためて羞恥心でいたたまれない状態になってしまう。それでも彼は愛撫の手をとめない。

「ぁ……」
「可愛いよ。そんな顔されたら、最後まで抱きたくなる」
「ダメ」
「わかってる。けど、俺の手で気持ちよくなるくらいいいだろ?」
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