若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
 カナトがマツリカのために用意したのはドレスだけでなく、この下着もだ。フロントホックのブラジャーだということを理解しているのか、そのままホックをはずして、まろびでてきた双丘のすでにふくらんだ頂を両方の指でつねって刺激する。
 いやらしいことをされているのに、感じてしまうのはなぜ? 不安そうな彼女を安心させるように、カナトのキスは啄むようなものへと変化していた。

「なんで……?」
「すきだから?」

 茶化すような彼のこたえに、マツリカは凍りつく。これはクルーズのあいだのいっときの戯れでしかないのだと悟ってしまう。それなのに、彼の手はマツリカが知らない官能を芽吹かせていく。
 彼の顔が胸元に降りてくる。身体中にキスをする、という宣言どうり、カナトは己の口唇をマツリカのはだかの胸へと滑らせて凝った蕾を口に含む。濡れた感触に驚き震える身体を押さえつけられ、そのままはむはむと左右交互に舐め、しゃぶっていく。
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