若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
大人に成長したマツリカが、水着姿でカナトの前に現れる。
カナトが用意した白い水着を恥ずかしそうに着て、こちらを見つめている。身体のラインが丸見えの、肌まで透けそうな水着には、エキゾチックな黄色い花のプリントがされていた。東南アジアなどでモチーフとして定番のハゴロモジャスミンの花だそうだ。
――羽衣と茉莉花か。あのときの彼女も星のような花柄の水着を着ていたな。
「カナト? 変じゃない?」
「……目に毒だな」
「白い水着を選んだカナトがそれを言うの?」
「あのときマツリカが着ていたのが白い水着だったから……いま着せたらどうなるのかな、って」
「十五年前のあたしが着ていたからっていまのあたしに同じようなデザインの水着を着せても、思い出せるわけないじゃない」
「そう、だな。俺の自己満足だ」
「じゃあ、着替えていい?」
「ダメだよ。せっかく水着になったんだ。このままプールに行こう」
「え、でも」
「恥ずかしがる必要はないよ。船内で開放されているプールじゃなくて、この部屋についているプレミアムスイートのプールだから」
たまにはふたりきりで水遊びをしようと提案されて、マツリカは渋々頷く。
カナトが用意した白い水着を恥ずかしそうに着て、こちらを見つめている。身体のラインが丸見えの、肌まで透けそうな水着には、エキゾチックな黄色い花のプリントがされていた。東南アジアなどでモチーフとして定番のハゴロモジャスミンの花だそうだ。
――羽衣と茉莉花か。あのときの彼女も星のような花柄の水着を着ていたな。
「カナト? 変じゃない?」
「……目に毒だな」
「白い水着を選んだカナトがそれを言うの?」
「あのときマツリカが着ていたのが白い水着だったから……いま着せたらどうなるのかな、って」
「十五年前のあたしが着ていたからっていまのあたしに同じようなデザインの水着を着せても、思い出せるわけないじゃない」
「そう、だな。俺の自己満足だ」
「じゃあ、着替えていい?」
「ダメだよ。せっかく水着になったんだ。このままプールに行こう」
「え、でも」
「恥ずかしがる必要はないよ。船内で開放されているプールじゃなくて、この部屋についているプレミアムスイートのプールだから」
たまにはふたりきりで水遊びをしようと提案されて、マツリカは渋々頷く。