若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
 下半身の丁寧な愛撫に、マツリカは焦らされながら感じていく。両手でシーツを握りしめて、媚鳴をあげながら、息を弾ませて、蜜を迸らせる。カナトが自分の足の指をおいしそうに舐めしゃぶっている姿があまりにも背徳的で、もうやめてとマツリカが訴えても、彼はすべての指を同じように舐めつづけた。そのまま彼はマツリカの股のあいだに顔を寄せ、舌先で丹念に敏感な場所へ蜜をまぶしていく。彼に舐めとられても絶えずあふれでるのが恥ずかしくて、マツリカは顔を真っ赤にしながら絶頂する。

「~~!」

 軽い絶頂を何度も覚え込ませられた身体がベッドに沈む。マツリカを手と舌で果てしなく狂わせたカナトは、動かなくなった彼女の前で穿いていた水着を脱ぎ捨てる。はだかになったカナトはいとおしそうにマツリカを抱き寄せ、彼女の股に自分の分身をそうっとあてがう。
 虚ろな瞳のマツリカが、え、と硬直する。

「最後まではしないけど、ここで気持ちよくさせて……?」
「カナト?」
「マツリカ。愛してるよ」
「ひゃっ」
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