若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
 沸き上がる新たな快感とカナトの熱に、マツリカは翻弄される。
 みしみしと揺れる彼の腰に反応するように、マツリカの身体も従順になる。

「あぁっ、カナトっ」
「まるで貴女のなかにいるみたいだ。これだけでこんなにも気持ちいいなんて……」
「カナト、熱い、あついよっ」
「ああ。マツリカ、いつか、さいごまで、しよう――ッ!」

 まだ、ひとつにつながっていないのに、こんなにもお互いの身体は快楽を分かち合っている。
 ひとつになったら、ふたりはどうなってしまうのだろう。
 彼の腰の動きが激しくなり、太ももにあてられていたものが膨張していく。自分を求めて、彼が果てようとしていると理解したマツリカは、それだけで甘美な気分に陥ってしまう。
 そのままハァハァと荒い息を吐きながら、カナトははじめてマツリカの前で無防備な姿を見せた。

「……カナト」
「ああ、マツリカを汚してしまった……」
「汚れてないよ? むしろ、あたしで気持ちよくなってくれて、嬉しい」
「ほんとう?」
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