若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
「そんなことできるの?」
「自由行動時間内は問題ないって確かめてもらったよ」

 鳥海の若き海運王が外泊したがってるって伝えただけで船長と支配人は素直に頷いたらしい。
 半ば脅しのようなものじゃないのとマツリカが呆れた声をあげるが、彼はにやにや笑うだけ。

「このクルーズもいよいよ佳境だから。俺はマツリカに最高のクリスマスプレゼントを贈りたいんだ」
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