若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
――朝になれば船は沖縄を離れて、奄美諸島をまわった後にいよいよ終着地に向けての東京湾クルーズがはじまる。残された時間もあとわずか……
ふいに音が途切れる。
え、と顔をあげたマツリカの目の前に、カナトの顔が迫っていた。
ふわりと唇が重なる。
「ンっ……」
「悲しそうな顔しないで。年が明けても、このクルーズが終わっても、俺は貴女を手放したりしないから」
「カナト」
「何があっても起こっても。俺は貴女を――……」
汽笛が鳴る。
一年が終わり、新たな年が明ける。
ピアノが一台だけある誰もいない場所で、ふたり。
「カナト。今年もよろしくね」
「今年だけじゃないよ、一生よろしく」
「ん」
抱き合った状態で、誓いのキスをした。
ふいに音が途切れる。
え、と顔をあげたマツリカの目の前に、カナトの顔が迫っていた。
ふわりと唇が重なる。
「ンっ……」
「悲しそうな顔しないで。年が明けても、このクルーズが終わっても、俺は貴女を手放したりしないから」
「カナト」
「何があっても起こっても。俺は貴女を――……」
汽笛が鳴る。
一年が終わり、新たな年が明ける。
ピアノが一台だけある誰もいない場所で、ふたり。
「カナト。今年もよろしくね」
「今年だけじゃないよ、一生よろしく」
「ん」
抱き合った状態で、誓いのキスをした。