若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
* * *
「マイくん! どういうこと!?」
「どういうことって? これからみんなに結婚の報告をするんだよ。素敵なドレスだろう? りいかには西洋のお姫様のようなドレスが似合うと思ったんだよね。堅苦しいコンシェルジュの制服は君に似合わないよ。着替えなら女性の方が詳しいから、彼女にお願いしたよ。オレが脱がせてあげてもよかったんだけど」
にたりと嗤う義弟の性的な視線から、マツリカは逃げるように顔を背ける。
背けた向こうには自分の制服を着ている金髪美女の姿がある。なぜ彼女が自分の制服を着ているのか見当がつかないマツリカは困惑した表情であらためて自分に着せられた服に目を向ける。
ごわごわした白っぽい布はシーツでもなんでもなく、真っ白なドレスだったらしい――それも結婚式でつかわれるウェディングドレスのような、繊細なレースがふんだんにつかわれたものだ。
義理の弟が選んだ花嫁衣装を着せられているだけでも異様なのに、彼はうっとりとした表情で満足そうに見つめている。
「やっぱりオレのりいかはお人形さんみたいにキレイだなあ」
「マイくん! どういうこと!?」
「どういうことって? これからみんなに結婚の報告をするんだよ。素敵なドレスだろう? りいかには西洋のお姫様のようなドレスが似合うと思ったんだよね。堅苦しいコンシェルジュの制服は君に似合わないよ。着替えなら女性の方が詳しいから、彼女にお願いしたよ。オレが脱がせてあげてもよかったんだけど」
にたりと嗤う義弟の性的な視線から、マツリカは逃げるように顔を背ける。
背けた向こうには自分の制服を着ている金髪美女の姿がある。なぜ彼女が自分の制服を着ているのか見当がつかないマツリカは困惑した表情であらためて自分に着せられた服に目を向ける。
ごわごわした白っぽい布はシーツでもなんでもなく、真っ白なドレスだったらしい――それも結婚式でつかわれるウェディングドレスのような、繊細なレースがふんだんにつかわれたものだ。
義理の弟が選んだ花嫁衣装を着せられているだけでも異様なのに、彼はうっとりとした表情で満足そうに見つめている。
「やっぱりオレのりいかはお人形さんみたいにキレイだなあ」