若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
「仕事が恋人なら問題ないだろ? 社長も君が適任だと」
「……適任ってさりげなく失礼じゃないですか」
ぷう、と頬を膨らます彼女を見下ろして西島がくすくす笑う。
「それだけじゃないんだ。今回の目的地は正月明けの東京だ。そのまま里帰りできるよう休暇を申請してある。君だってたまには家族に顔を見せたいだろう?」
「それは、そうですけど」
「あちらさんもいまからならスケジュールが組みやすいだろう。清一郎もリタイアしたことだし、たまには親孝行しておいで」
城崎清一郎、マツリカの義理の父親にあたる男の名を出されて彼女は苦笑する。
「……適任ってさりげなく失礼じゃないですか」
ぷう、と頬を膨らます彼女を見下ろして西島がくすくす笑う。
「それだけじゃないんだ。今回の目的地は正月明けの東京だ。そのまま里帰りできるよう休暇を申請してある。君だってたまには家族に顔を見せたいだろう?」
「それは、そうですけど」
「あちらさんもいまからならスケジュールが組みやすいだろう。清一郎もリタイアしたことだし、たまには親孝行しておいで」
城崎清一郎、マツリカの義理の父親にあたる男の名を出されて彼女は苦笑する。