好きは月曜日に
好きは月曜日に


パタン、とパソコンを閉じ時計を見ると五時四十分。
定時のチャイムから十分で仕事が終わったのだから、上出来だ。

入社して三年、やっと効率的に仕事ができるようになってきた。

しかも、月曜日である今日は、これからご飯に行く約束をしているのだからとくに急いだんだけど…。


隣の席からパチパチと、せわしなくキーボードを叩く音が聞こえる。

誘ってくれた本人である、ひとつ後輩の持田くんはまだ帰れなさそうだ。


「…ちょっと見せて」


後ろから資料とパソコンを交互にみて、内容を確認する。

「え、星川さん」


持田くんは元々のぱっちりとした目をさらに大きくし、私のほうを振り向いた。


「これ、今日じゃなくてもいい仕事でしょ。
明日私も手伝うからもう帰ろ」



私の言葉に持田くんは「はい」と笑顔で答える。

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