アラサー地味子@シャトーホテル/フランスでワケアリ御曹司に見初められちゃいました
いつのまにか、ヴァイオリンの演奏が終わっていた。
私たちのキスも終わる。
見上げるとクロードさんの姿はなかった。
「ユリ。愛してるよ」
「私も」と、私はジャンの胸に顔を押しつけた。「本気になってもいいの?」
彼が私の頭を優しく撫でる。
「本気だよ。君に出会ったその瞬間からね」
私たちを冷やかすように夜風が吹き抜けていく。
「冷えてきたね。中に入ろう」
と、彼が私に右手の小指を差し出してきた。
え?
これって……。
ジャンが片目をつむって笑みを浮かべている。
私もそれに小指を絡めた。
「僕らの誓いの証だよ」
こんなことまで知ってるんだ。
「日本の漫画で読んだんだ。いつかやってみたいと思ってたよ」
思わず笑ってしまう。
――指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます――。
指を絡め合ったまま彼と二人で石段を登る。
上段のテラスから屋敷の中へ入ろうとしたとき、ジャンが私にささやいた。
「さあ、僕らの永遠を積み重ねよう」
私は彼の目を見つめて答えた。
「出会ったときから、もう始まってるんでしょう?」
「そのとおりさ」
彼は私を軽々と抱き上げ、玄関ホールの吹き抜けの壁に沿った階段を駆け上がっていく。
「そんなに焦らないで」
「がまんできないよ。早く君を知りたい。もっと知りたいんだ。君のすべてをね」
――私のすべて――。
ジャン、私、あなたが初めてなの。
そして、それが最初で最後。
私のすべてを知ったとき、私たちの永遠はそれで終わる。
さよなら、初めて好きになった人。
私たちに永遠なんてない。
あるはずがないんだから。
私たちのキスも終わる。
見上げるとクロードさんの姿はなかった。
「ユリ。愛してるよ」
「私も」と、私はジャンの胸に顔を押しつけた。「本気になってもいいの?」
彼が私の頭を優しく撫でる。
「本気だよ。君に出会ったその瞬間からね」
私たちを冷やかすように夜風が吹き抜けていく。
「冷えてきたね。中に入ろう」
と、彼が私に右手の小指を差し出してきた。
え?
これって……。
ジャンが片目をつむって笑みを浮かべている。
私もそれに小指を絡めた。
「僕らの誓いの証だよ」
こんなことまで知ってるんだ。
「日本の漫画で読んだんだ。いつかやってみたいと思ってたよ」
思わず笑ってしまう。
――指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます――。
指を絡め合ったまま彼と二人で石段を登る。
上段のテラスから屋敷の中へ入ろうとしたとき、ジャンが私にささやいた。
「さあ、僕らの永遠を積み重ねよう」
私は彼の目を見つめて答えた。
「出会ったときから、もう始まってるんでしょう?」
「そのとおりさ」
彼は私を軽々と抱き上げ、玄関ホールの吹き抜けの壁に沿った階段を駆け上がっていく。
「そんなに焦らないで」
「がまんできないよ。早く君を知りたい。もっと知りたいんだ。君のすべてをね」
――私のすべて――。
ジャン、私、あなたが初めてなの。
そして、それが最初で最後。
私のすべてを知ったとき、私たちの永遠はそれで終わる。
さよなら、初めて好きになった人。
私たちに永遠なんてない。
あるはずがないんだから。