アラサー地味子@シャトーホテル/フランスでワケアリ御曹司に見初められちゃいました
溺れそうなほどの口づけが浴びせられる。
どうしてこうなったのか分からない。
――嘘。
本当は全部分かっている。
自分でも意外なほど冷静だもの。
なすがままに身を委ねているのに心にはさざ波しか立たない。
――幸せなのに。
ただそれを受け入れるのがこわいだけ。
ずっと諦めてきた。
今まで知らなかっただけ。
こんな幸せを……。
知らなかっただけ。
頬が触れ合う。
「ああ、ユリ……」
彼の吐息が私の耳をくすぐる。
「君のすべてが知りたい」
彼のささやきは私の心を解きほぐす鍵。
ブラウスのボタンはいつの間にか外されていた。
私の肌を撫でる彼の繊細な指先が未知のリズムを奏でている。
冷めていた私の心の中で、小さかった波が重なり合い、大きなうねりとなり、私を飲み込んでいく。
触れあう肌が熱を帯びていき、経験したことのない刺激に身もだえするたびに私は彼の名を呼ぼうとした。
……ジャン……。
でも、声にならない。
私はもう彼の思うままに踊らされる操り人形。
このままでいたい。
ずっとこうしていたい。
彼の腕の中にいたい。
離さないで。
抱きしめていて。
こんな私だけど、このまま時が止まればいいのに……。
「君のすべてを見せて」
背中に回った彼の指先がいとも簡単に留め具を外した。
私の秘密が暴かれる。
見られてはいけない秘密。
今まで隠していた本当の私。
左胸が露わになった。
彼の手が止まる。
……ああ……。
これで終わりだ。
熱く火照っていた体の芯が急激に冷えていく。
ここまでだ。
私はそっと目を閉じた。
……なのに……。
なんで涙があふれるの。
なんで涙がこぼれるの。
……だから……。
恋なんてしない。
ずっとそう思ってきたはずなのに。
どうしてこうなったのか分からない。
――嘘。
本当は全部分かっている。
自分でも意外なほど冷静だもの。
なすがままに身を委ねているのに心にはさざ波しか立たない。
――幸せなのに。
ただそれを受け入れるのがこわいだけ。
ずっと諦めてきた。
今まで知らなかっただけ。
こんな幸せを……。
知らなかっただけ。
頬が触れ合う。
「ああ、ユリ……」
彼の吐息が私の耳をくすぐる。
「君のすべてが知りたい」
彼のささやきは私の心を解きほぐす鍵。
ブラウスのボタンはいつの間にか外されていた。
私の肌を撫でる彼の繊細な指先が未知のリズムを奏でている。
冷めていた私の心の中で、小さかった波が重なり合い、大きなうねりとなり、私を飲み込んでいく。
触れあう肌が熱を帯びていき、経験したことのない刺激に身もだえするたびに私は彼の名を呼ぼうとした。
……ジャン……。
でも、声にならない。
私はもう彼の思うままに踊らされる操り人形。
このままでいたい。
ずっとこうしていたい。
彼の腕の中にいたい。
離さないで。
抱きしめていて。
こんな私だけど、このまま時が止まればいいのに……。
「君のすべてを見せて」
背中に回った彼の指先がいとも簡単に留め具を外した。
私の秘密が暴かれる。
見られてはいけない秘密。
今まで隠していた本当の私。
左胸が露わになった。
彼の手が止まる。
……ああ……。
これで終わりだ。
熱く火照っていた体の芯が急激に冷えていく。
ここまでだ。
私はそっと目を閉じた。
……なのに……。
なんで涙があふれるの。
なんで涙がこぼれるの。
……だから……。
恋なんてしない。
ずっとそう思ってきたはずなのに。