二人の幼なじみに愛されてます
図書室だった。静かにしないとだね。

「理央どうしたの」と声を潜めて聞いた。

今日は先に帰っていいよ、と伝えたんだけど。



「どうせ、一人じゃわからないところばっかだろ」



私の勉強を手伝いに来てくれたのかな。

わざわざ、図書室にまで来てくれるなんて。



「もしかして、理央って優しいの」

「今更気づいたのか」



はぁ、とため息をつかれ呆れられてしまった。



「ここだったら、話せないから教室行くぞ」

「え、待ってよ」



広げていたノートを閉じて、わきに抱える。

足早に図書室を出ていこうとする理央を慌てて追いかけた。



教室には誰も残っていなかった。

理央の席の隣に座った。

問題集を開いて、さっきの続きから解き始める。



「わからないとこあったら言って」



理央はそう言って、自分の勉強を始めた。

案外ちゃんと教えてくれるみたい。けど、少し理央との距離が遠い気がする。
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