二人の幼なじみに愛されてます
 幸せに浸っていると再びスマホが音楽を奏でた。たぶん、理央からのモーニングコールだろう。出ようとすると、横から手が伸びてきてスマホを取り上げられた。



「理央、おはよう」



 律くんが電話の相手の理央と話していた。



『なんで、愛乃のスマホに律が出るんだよ。律、お前』

「愛乃はちゃんと起こしたから大丈夫だよ」

『いや、大丈夫じゃないから。すぐそっち行く』



スマホから理央の慌てている声が聞こえる。そして、すぐに電話が切られたようで、律くんがスマホを私に返してくれた。



「理央も来るの? 」

「来なくていいのにね」



 そうつぶやいた律くんにぎゅっと抱きしめられた。



「律くん? 」



 すぐに体が離れたから、「どうしたの」と聞く暇がなかった。
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