二人の幼なじみに愛されてます
「おはよう、愛乃」



いつの間にかそばに律くんが立っていた。理央に気を取られて気づかなかった。

理央と一緒に登校していたらしい律くんは鞄を持ったまま私のクラスに来ていた。



「律くん、おはよう」



「今日は先に行くっていうから何かと思ったら、小テストなんだね」



律くんは、私が持っている単語帳に目を向ける。



「うん、そうなんだ」



小テストは本当だけど、先に行ったのは別の理由だなんて言えないよ。



「範囲どこ? 」



「付箋張ってるとこまで」



ちょうど開いていたページを律くんに見せる。



「ここなら、俺昨日したけど。出るとこ知りたい? 」



「本当? 教えて、律くん」



英単語がまったく頭に入っていない状態での小テストは悲惨な点数を取ってしまいかねない。

律くんのクラスが小テスト終わっていてよかった。山を張ったところだけなら覚えられそう。
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