二人の幼なじみに愛されてます
「大丈夫、理央は先帰ったよ」



律くんに心を読まれた。



「ふーん」



どこまで律くんが知っているのかわからないけど、理央のことは気にしていない振りをしてしまう。



「愛乃、傘持ってるよね」



あるよ、と手に持っている傘を見せる。

律くんの手には傘は握られていなかった。朝は持ってきていたのにどうしたんだろう。



「理央に傘貸したから、入れてくれる? 」



傘を広げて、律くんに入るように促すと、手をとられて傘を奪われる。

確かに、律くんのほうが背高いから律くんが傘を持ってくれたほうがいいよね。

いつも歩く歩幅を合わせてくれる律くん。雨が降っている今日はいつもよりも慎重に歩いてしまうけど、律くんはせかさずに合わせて歩いてくれる。
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