極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
 樹は繭を抱えたまま寝室の扉を開け、ベッドの上にそっとおろす。旬太のことを聞きたい気持ちはあるものの、熱っぽい樹の瞳を見たら繭はもうなにも言えなくなってしまう。
 樹は優しく目を細めて顔を近づけると、繭にこう耳打ちする。

「あとでちゃんと全部話す。だから今は……黙って俺に愛されて」

 角度を変えながら樹は幾度もキスを重ねる。唇から、指先から、熱い眼差しから、彼の思いが伝わってきて繭の心は喜びに打ち震える。

「んっ、はぁ」

 こらえきれずに漏れた吐息すらも奪うように、キスは深く、激しくなっていく。繭の身体が柔らかなベッドに沈む。それを追いかけるように樹が覆いかぶさってきて、繭の首筋に唇を這わせた。

「ひゃっ」
「いい声、もっと聞きたい」

 言いながら、樹は繭のブラウスのボタンを外し乱していく。彼の手が素肌に直接触れる、それだけで繭の最奥が熱を帯び、潤んだ。

 首筋から鎖骨、二の腕、脇腹。樹は繭の全身に余すことなくキスを降らせる。初めての夜とは少し違う。もっともっと、彼の熱をリアルに感じる。
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