極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
 ものすごく相性がいいのでは? そう錯覚させるほど、樹はキスがうまい。角度を変えて何度も唇を重ねながら、樹はもう一度繭の胸をもてあそぶ。

「くっ」

 ぶるりと身体を震わせて、繭は声を押し殺す。それを見た樹は嗜虐的に瞳を輝かせた。

「我慢せず好きなだけ啼けよ。もう、待ったは聞いてやれないから」

 唇の端をにやりと持ちあげ、彼は繭の敏感な場所をぴんと弾く。甘い刺激に繭は耐え切れずに切ない声を漏らす。

「ああっ」
「そうそう、その調子」

 ふたりの身体はもつれ合うようにして、再びベッドに沈み込む。樹は繭の鎖骨から胸、脇腹へとゆっくりと唇を這わせていく。ここまで来れば、あとはもうすべて彼に任せておけばなるようになるだろう。そう思ったら、いつものマイペースな繭が戻ってきた。

(モテる男ってすごいんだな)

 愛のない行為でもこんなに身体が熱くなるのは……きっと彼のテクニックゆえだろう。繭は純粋な驚きを覚えていた。すると、樹がぴたりと動きを止め顔をあげて繭を見据える。
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