極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
 樹は小悪魔めいた瞳で、まるで見せつけるような仕草で繭のお腹にキスを落とす。

「見てろ。その余裕ぶった顔をめちゃくちゃに乱して、俺が欲しいと言わせてやる」
「あっ」

 樹の唇が下腹部までおりていく。繭は思わずぴたりと膝を合わせようとするが、樹の大きな手がそれを阻む。

「やっ」

 無意識に拒絶の言葉を漏らしたが、彼は笑って取り合わない。

「拒否権があると思うか? 今夜、この身体の所有者は俺だ」

 樹の甘い唇が繭の身体を熱く潤ませていく。絶え間なく押し寄せる快楽の波にさらわれて、もう息すらつけない。

(し、知らない……こんなのっ)

 なにがなんだかわからぬうちに繭は意識を手放してしまった。
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