極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
たしかに彼の言うとおり、繭は就職予定だった大手証券会社の内定を蹴り、社会人としてのキャリアを非正規の派遣社員からスタートさせた。だが、派遣先であった国内最大手のローファーム『ミリガン&ジェイ法律事務所』は繭の勤勉さを認めてくれ、二年後には正規雇用のパラリーガルとなった。
やりがいもあるし待遇も悪くない。繭は現在の自分の仕事に自信と誇りを持っている。だが、目の前の男にそれを説明する気はまったく起きなかった。卓也は聞いてもいないのに、ペラペラと自分の近況を語りはじめる。
「俺は結婚式場を探してる最中なんだよね。このホテルのチャペルは有名デザイナーが手がけたとかで彼女のほうが気に入っちゃってさ」
「彼女?」
繭は思わず聞き返す。卓也の口ぶりに含みがあったように思えたからだ。卓也はくっと苦笑を漏らした。
「うん、新しい彼女ね。会社の取締役の姪なんだ。美人で帰国子女でさ、彼女に比べるとありさは正直見劣りするっていうか……ま、俺とは釣り合わない女だったってことかな」
(あれだけ大騒ぎして人を巻き込んだくせに……結局別れたのか)
やりがいもあるし待遇も悪くない。繭は現在の自分の仕事に自信と誇りを持っている。だが、目の前の男にそれを説明する気はまったく起きなかった。卓也は聞いてもいないのに、ペラペラと自分の近況を語りはじめる。
「俺は結婚式場を探してる最中なんだよね。このホテルのチャペルは有名デザイナーが手がけたとかで彼女のほうが気に入っちゃってさ」
「彼女?」
繭は思わず聞き返す。卓也の口ぶりに含みがあったように思えたからだ。卓也はくっと苦笑を漏らした。
「うん、新しい彼女ね。会社の取締役の姪なんだ。美人で帰国子女でさ、彼女に比べるとありさは正直見劣りするっていうか……ま、俺とは釣り合わない女だったってことかな」
(あれだけ大騒ぎして人を巻き込んだくせに……結局別れたのか)