極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
川口の問題は誰がどう見ても妻に否がある。彼女自身は専業主婦なので、慰謝料の額は期待できないが不倫相手は大手企業勤務のエリートらしい。慰謝料の金額は依頼人のため……ももちろんあるが、事務所の収入にも直結する。繭にとっても、無関係ではないのだ。
「すっぱり離婚して、慰謝料請求が一番いいように思いますけどねぇ」
川口本人には言えなかったが、不倫した側が離婚を望んでいる場合の再構築はなかなかに難しい。婚姻関係の継続だけなら可能だろうが、川口の望む平穏な家庭を取り戻せる確率はあまり高くないと繭は思っている。
(決して事務所の報酬のためじゃないのよ)
離婚を決めた場合のほうが、慰謝料相場が高くなるのは事実ではあるが。
慎太郎はひょいと膝に飛び乗ってきたメロの顎を撫でながら、のんびりとした口調で言う。
「川口さん、再構築できるのなら相手男性に慰謝料を請求するつもりはないそうだよ。ふたりがきちんと反省してくれたら十分だって」
「すっぱり離婚して、慰謝料請求が一番いいように思いますけどねぇ」
川口本人には言えなかったが、不倫した側が離婚を望んでいる場合の再構築はなかなかに難しい。婚姻関係の継続だけなら可能だろうが、川口の望む平穏な家庭を取り戻せる確率はあまり高くないと繭は思っている。
(決して事務所の報酬のためじゃないのよ)
離婚を決めた場合のほうが、慰謝料相場が高くなるのは事実ではあるが。
慎太郎はひょいと膝に飛び乗ってきたメロの顎を撫でながら、のんびりとした口調で言う。
「川口さん、再構築できるのなら相手男性に慰謝料を請求するつもりはないそうだよ。ふたりがきちんと反省してくれたら十分だって」