極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
(な……なにを寝ぼけたことを)
人のよさそうな川口の顔を思い浮かべつつ、繭は歯ぎしりする。
「その反省の気持ちを伝えるのが慰謝料じゃないですか!」
そう言って慎太郎に詰め寄るが、彼はいつもどおり飄々とした態度を崩さない。
「まぁね、法律家の立場から言えばそうなんだけど。でも、大事なのは依頼人の気持ちだからさ」
「依頼人に寄り添いすぎて、家賃を払えなくなったらどうするんです?」
繭は胸の前で腕を組んで慎太郎の前に仁王立ちする。きっと彼をにらみつけるが、慎太郎はへらりと笑うだけだ。
「まぁまぁ。人生はケセラセラだから」
「タロ先生は都合が悪くなるといつもそれなんだから」
あきれを通りこして、なんだか笑えてくる。
「あぁ、いいね。繭ちゃんにはやっぱり笑顔が一番だよ」
慎太郎は邪気のない笑顔を見せると、ずずっとお茶をすすった。メロも同意するように「ンニヤァ」と鳴くと、慎太郎の膝のうえでごろりとお腹を見せた。繭はメロのこともひとにらみする。
「あんたも、いつもタロ先生の味方ばっかりして!」
メロはそんな繭の言葉は聞こえないふりで優雅に昼寝を始めた。飼い主に似たのか、猫だからなのか、メロはいつだってマイペースだ。
(もういいや。どうせ怒るだけ無駄なんだから)
人のよさそうな川口の顔を思い浮かべつつ、繭は歯ぎしりする。
「その反省の気持ちを伝えるのが慰謝料じゃないですか!」
そう言って慎太郎に詰め寄るが、彼はいつもどおり飄々とした態度を崩さない。
「まぁね、法律家の立場から言えばそうなんだけど。でも、大事なのは依頼人の気持ちだからさ」
「依頼人に寄り添いすぎて、家賃を払えなくなったらどうするんです?」
繭は胸の前で腕を組んで慎太郎の前に仁王立ちする。きっと彼をにらみつけるが、慎太郎はへらりと笑うだけだ。
「まぁまぁ。人生はケセラセラだから」
「タロ先生は都合が悪くなるといつもそれなんだから」
あきれを通りこして、なんだか笑えてくる。
「あぁ、いいね。繭ちゃんにはやっぱり笑顔が一番だよ」
慎太郎は邪気のない笑顔を見せると、ずずっとお茶をすすった。メロも同意するように「ンニヤァ」と鳴くと、慎太郎の膝のうえでごろりとお腹を見せた。繭はメロのこともひとにらみする。
「あんたも、いつもタロ先生の味方ばっかりして!」
メロはそんな繭の言葉は聞こえないふりで優雅に昼寝を始めた。飼い主に似たのか、猫だからなのか、メロはいつだってマイペースだ。
(もういいや。どうせ怒るだけ無駄なんだから)