極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
繭は保育士にあいさつをして、保育園を出る。旬太は抱っこ紐のなかでおとなしくしてくれているが、一歳半にもなると重さはなかなかのものだ。そろそろ卒業させたいが、電車移動の多い都会の暮らしにはベビーカーよりこちらが便利なのだ。
千代田区霞が関というエリートばかりが集う地に東京弁護士会館は建っている。流れる空気までもが厳粛な立派なビルだ。数年前に初めて訪れたときは、ものすごく気後れした記憶があるが……慣れというものは恐ろしい。現在の繭は胸に子どもを抱えて平然と足を踏み入れる。
「それでは、よろしくお願いいたします」
「かしこましました」
対応してくれた事務の女性は旬太を見て少し驚いてはいたが、なにも聞かずに書類を受け取ってくれた。繭は旬太の頭を撫で、小さく声をかける。
「いい子にしてたね。えらいぞ、旬太」
繭が褒めたことがわかったのか、旬太はどこか得意げな顔を見せる。
(利発なのもパパ似かな?)
千代田区霞が関というエリートばかりが集う地に東京弁護士会館は建っている。流れる空気までもが厳粛な立派なビルだ。数年前に初めて訪れたときは、ものすごく気後れした記憶があるが……慣れというものは恐ろしい。現在の繭は胸に子どもを抱えて平然と足を踏み入れる。
「それでは、よろしくお願いいたします」
「かしこましました」
対応してくれた事務の女性は旬太を見て少し驚いてはいたが、なにも聞かずに書類を受け取ってくれた。繭は旬太の頭を撫で、小さく声をかける。
「いい子にしてたね。えらいぞ、旬太」
繭が褒めたことがわかったのか、旬太はどこか得意げな顔を見せる。
(利発なのもパパ似かな?)