極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
可能性すらなかった未来を想像すると、胸がずんと重くなる。パパとママがそろっていないとダメだなんてまったく思っていないし、自分ひとりでも旬太を幸せにする自信はある。その覚悟からあるから繭は旬太を産んだのだ。けれど、心のどこかに、やはりパパがいないことへの不安はある。そのことで旬太を悲しませる日が来るのでは……と思うと心がざわつく。
繭は慌てて、強く頭を振る。
(高坂先生に再会したくらいで揺らいじゃダメ。なにがあっても迷わないって決めたでしょ!)
そんな繭に樹はいぶかしげな視線を送っていたが、繭はそれには気づかない。台頭区の下町情緒あふれる住宅街の一角で車を停めると、樹は言う。
「ここで合ってるか?」
「はい、そこの青い屋根の家です」
繭は山茶花の生垣に囲われた自宅を指で示す。年季の入った純和風の一軒家で、小さな庭に面した縁側が繭のお気に入りの場所だ。
「いい家だな」
「ありがとうございます。古いからメンテナンスが大変ですけど」
繭は慌てて、強く頭を振る。
(高坂先生に再会したくらいで揺らいじゃダメ。なにがあっても迷わないって決めたでしょ!)
そんな繭に樹はいぶかしげな視線を送っていたが、繭はそれには気づかない。台頭区の下町情緒あふれる住宅街の一角で車を停めると、樹は言う。
「ここで合ってるか?」
「はい、そこの青い屋根の家です」
繭は山茶花の生垣に囲われた自宅を指で示す。年季の入った純和風の一軒家で、小さな庭に面した縁側が繭のお気に入りの場所だ。
「いい家だな」
「ありがとうございます。古いからメンテナンスが大変ですけど」