極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
今日は、約束どおりの時間に彼は姿を現した。繭は立ちあがって彼を出迎える。
「こんにちは、妹尾さん」
「川口さん、お待ちしておりました」
部屋に入ってきた彼は先週とは違い、明るく晴れやかな顔をしている。
(もしかして奥さまと歩み寄れた……とか?)
そう思えるほどに、彼はウキウキとした様子だった。川口は繭を見る目を細めて、満足そうにうなずいた。
「妹尾さん、今日のお洋服とても素敵ですね! よく似合ってます」
「そ、そうでしょうか……」
繭は自身の洋服に視線を落として、困惑げに眉根を寄せる。今朝は旬太の機嫌が悪く、自分のファッションなど構う余裕もなかった。結果、水玉のブラウスにストライプ柄のパンツというちぐはぐなコーディネートで出かけざるを得なかったのだが。
繭の戸惑いに気づかない様子の川口は、今度は手に提げていたココア色の紙袋を押しつけるようにして差し出す。
「これ、先週約束していたロールケーキです!」
なぜか照れたように頬を染めている彼に、繭の困惑は深まるばかりだ。
繭は最後まで拒否の姿勢を貫いたつもりで約束した覚えはまったくないが、持ってきてくれたものを突き返すわけにはいかない。
「ありがとうございます」
「こんにちは、妹尾さん」
「川口さん、お待ちしておりました」
部屋に入ってきた彼は先週とは違い、明るく晴れやかな顔をしている。
(もしかして奥さまと歩み寄れた……とか?)
そう思えるほどに、彼はウキウキとした様子だった。川口は繭を見る目を細めて、満足そうにうなずいた。
「妹尾さん、今日のお洋服とても素敵ですね! よく似合ってます」
「そ、そうでしょうか……」
繭は自身の洋服に視線を落として、困惑げに眉根を寄せる。今朝は旬太の機嫌が悪く、自分のファッションなど構う余裕もなかった。結果、水玉のブラウスにストライプ柄のパンツというちぐはぐなコーディネートで出かけざるを得なかったのだが。
繭の戸惑いに気づかない様子の川口は、今度は手に提げていたココア色の紙袋を押しつけるようにして差し出す。
「これ、先週約束していたロールケーキです!」
なぜか照れたように頬を染めている彼に、繭の困惑は深まるばかりだ。
繭は最後まで拒否の姿勢を貫いたつもりで約束した覚えはまったくないが、持ってきてくれたものを突き返すわけにはいかない。
「ありがとうございます」