極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
繭はそうつぶやいて、ふるふると頭を振る。川口のことは気にしすぎないようにしようと決めて旬太の迎えのため駅へと急ぐ。
保育園のあとは旬太と一緒に近くのスーパーに寄った。今夜はハンバーグにしようと決めて、食材を購入し帰途に着いた。
「今夜は旬太の好きなハンバーグだよ!」
「きゃあ~」
意味がわかっているのかいないのか、うれしそうにほころぶ旬太の顔に繭の頬も緩む。
旬太はすっかり離乳食を卒業し、最近は薄味にすれば繭と同じものを食べられるので食事の支度はずいぶん楽になった。彼の成長をうれしく思う反面、あっという間に大きくなってしまうようで最近は寂しさを感じることもある。
(それだけ余裕が出てきたってことかなぁ。新生児の頃は大変すぎて、早く大きくなってと毎日祈ってたもんね)
今よりもっと小さかった旬太を懐かしく思い出していた繭は、周囲に注意を払っていなかった。自宅に入る数歩手前で、突然誰かに肩をつかまれ、繭は心臓が飛び出すほどに驚いた。おまけに繭を待っていた相手は――。
「か、川口さん? どうして……」
膝ががくがくと震え出し、うまく言葉を紡げない。川口が繭の自宅を知っているはずはない。ということは、事務所からここまでずっと尾けてきていたのだろう。
繭は川口の腕を振り払うと、旬太を守るように抱っこ紐ごと彼を抱き締める。
保育園のあとは旬太と一緒に近くのスーパーに寄った。今夜はハンバーグにしようと決めて、食材を購入し帰途に着いた。
「今夜は旬太の好きなハンバーグだよ!」
「きゃあ~」
意味がわかっているのかいないのか、うれしそうにほころぶ旬太の顔に繭の頬も緩む。
旬太はすっかり離乳食を卒業し、最近は薄味にすれば繭と同じものを食べられるので食事の支度はずいぶん楽になった。彼の成長をうれしく思う反面、あっという間に大きくなってしまうようで最近は寂しさを感じることもある。
(それだけ余裕が出てきたってことかなぁ。新生児の頃は大変すぎて、早く大きくなってと毎日祈ってたもんね)
今よりもっと小さかった旬太を懐かしく思い出していた繭は、周囲に注意を払っていなかった。自宅に入る数歩手前で、突然誰かに肩をつかまれ、繭は心臓が飛び出すほどに驚いた。おまけに繭を待っていた相手は――。
「か、川口さん? どうして……」
膝ががくがくと震え出し、うまく言葉を紡げない。川口が繭の自宅を知っているはずはない。ということは、事務所からここまでずっと尾けてきていたのだろう。
繭は川口の腕を振り払うと、旬太を守るように抱っこ紐ごと彼を抱き締める。