極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
(いつまでも嘘をつき通せるはずがない。バレたら、もう三人でお出かけなんてできないだろう。今日が最初で最後……)
波のように寄せては返す悲しい予感を繭は必死に振り切って、旬太に笑顔を向ける。一度きりだからこそ、旬太に父親との楽しい思い出を残してあげたかった。旬太は幼すぎて大人になったら忘れてしまうだろうけど、それでも幸せな記憶は彼の糧になるはずだ。
「旬太。イルカさんとペンギンさんとあとはなにを見ようか?」
「ん~、ん~、バウ!」
樹は眉間にしわを寄せて、繭を見る。
「ちょっとずつ旬太の言葉も理解できるようになってきたと思ってたけど、今のはわからない。バウってなんだ?」
真剣に悩む樹の姿に繭はぷっと噴き出した。
「あはは。バウは私も全然わからないです」
旬太はまだ言葉を覚えたてのところで、意味をなさない単語を発することもよくある。母親の繭だってすべてを理解できるわけではない。
波のように寄せては返す悲しい予感を繭は必死に振り切って、旬太に笑顔を向ける。一度きりだからこそ、旬太に父親との楽しい思い出を残してあげたかった。旬太は幼すぎて大人になったら忘れてしまうだろうけど、それでも幸せな記憶は彼の糧になるはずだ。
「旬太。イルカさんとペンギンさんとあとはなにを見ようか?」
「ん~、ん~、バウ!」
樹は眉間にしわを寄せて、繭を見る。
「ちょっとずつ旬太の言葉も理解できるようになってきたと思ってたけど、今のはわからない。バウってなんだ?」
真剣に悩む樹の姿に繭はぷっと噴き出した。
「あはは。バウは私も全然わからないです」
旬太はまだ言葉を覚えたてのところで、意味をなさない単語を発することもよくある。母親の繭だってすべてを理解できるわけではない。